子宮がんは短時間で痛みもなく検診ができます。
横浜市の検診もありますので、年に1回は検診をして頂きたいと思っております。 子宮がんの中には、子宮体がんといって子宮の奥にできるがんもあります。自覚症状がない場合でも、2、3年に一度は、検診をうけましょう。
もしも、不正出血がある、おなかがいたいなどの場合は、受診しましょう。
40代以降は、子宮頸がん、50代以降は、子宮体がんが、多いと言われています。必ずしもそうとは限りません。 年に1回は、若い方でも子宮がん検診の受診をおすすめします。
子宮頚がん
子宮の出口には、子宮頸部という筒状の部分があり、子宮頸がんはここに発生するがんです。観察や検査を簡単にできるため発見されやすいがんであり、早期発見によって治療がしやすく良好な結果につながることも多くなっています。ただし、進行してしまうと治療が難しくなりますので、早期発見がとても重要ながんです。
子宮頸がんの危険因子には、喫煙、そして性交渉で感染するヒトパピローマウイルス(HPV:Human Papillomavirus)の感染があげられます。実際に子宮頸がんの方の90%以上からHPVが発見されています。
子宮頸がんの早期発見
正常ではない異形細胞による異形成という前がん病変の時期を経てがん化するため、細胞診で異形細胞を見つけることで早期発見が可能です。早期発見できれば、日常生活やお仕事に支障をおよぼさずに完治できる可能性もあります。無症状の時も定期的に検診を受けましょう。
当院の検査方法
初潮年齢、月経の期間や状態、妊娠・出産経験の有無、自覚症状の有無などの問診を行い、内診にて子宮頸部の状態を確認して、膣鏡により子宮頸部をしっかり確認します。さらに子宮の形状やサイズ、位置、状態、炎症などの有無も確認する場合もあります。
次にやわらかい器具で子宮頸部の粘膜を軽くなでて細胞を採取するPAPテストを行い、顕微鏡で調べます。この時、まれに出血を起こすことがありますが、痛みが生じることはほとんどありません。細胞診の結果を含めた検査結果は、2週間後にわかります。
必要であればより精密な観察が可能になるコルポスコピー診も行います。コルポスコープは視野を拡大して精密に観察できる器具です。子宮頸部病変の程度と広がりを把握するために行います。組織を採取する生検も行います。
子宮体がん
子宮の内側にある子宮内膜から発生するがんで、子宮内膜がんと呼ばれることもあります。生活習慣の欧米化により増加傾向にあるがんで、前がん病変ができてからがん化するタイプが約90%とほとんどを占めますが、一気にがんができるタイプも存在します。前がん病変ができるタイプは、子宮内膜増殖症から徐々にがんになっていき、40~50歳代に多くなっています。一気にがんができるタイプは高齢者に多くなってます。
特に注意が必要なのは不妊症、出産経験のない方、肥満、糖尿病、高血圧のある方で、子宮内膜を増殖させるエストロゲンが発症に関与していると考えられています。排卵によって分泌される黄体ホルモンによって子宮内膜は増殖を止めるため、排卵回数が少ない月経不順や不妊症の場合、エストロゲンが優位になる期間が長くなり子宮体がんのリスクが高くなります。また、妊娠・出産経験がない場合もエストロゲン優位の期間が長くなるため、リスクが高くなります。
当院の検査
最も多く行われている子宮内膜細胞診は、細い棒状の専用器具を用い、子宮内部の組織を採取して検査します。高齢などにより、こうした検査が難しい場合には、超音波検査で子宮内膜の厚みを確認して判断することもあります。ただし超音波検査では早期のがんを発見できない可能性があります。