当院では妊娠12週未満までの人工妊娠中絶手術を行っています。なお、妊娠12週を超える中期中絶は行っておりませんのでご注意ください。
手術は子宮に優しくお身体へのご負担が少ない吸引法を原則として用い、日帰りで受けられます。12週未満の手術自体は10～15分程度ですが、麻酔から完全に覚めるまでには数時間かかります。

静脈麻酔を行った上で、吸引機を子宮頸部から子宮内に挿入し、内容物を吸引排出する手法です。世界保健機関（WHO）が安全性の高さから推奨している手術方法です。日本では胞状奇胎などの特殊な症例における手術で主に用いられていますが、短時間で行うことができ、母体への負担が少ないことから当院では中絶手術に導入しています。

個人差がありますが、中絶後には少量の出血や痛みが起こることがあります。ほとんどの場合、数日間～10日間程度で治まりますが、感染症を防ぐために処方薬は必ず全部飲み切ってください。また、外陰部を清潔に保つために、ナプキンはこまめに取り替え、出血がある時期はバスタブに浸からずシャワーだけの入浴を行ってください。また、ホルモンのバランスが乱れるため、頭痛やめまいなどを起こすこともあります。術後の数日間はできるだけ安静を保ち、お身体の回復を最優先させてください。

処方された薬を指示通りに飲み、翌日と1週間後の再診を必ず受けてください。また、出血が止まるまでは少なくとも飲酒やセックスを控えてください。経過が順調な場合は、術後4週～8週程度で次の月経がきます。ただし、月経再開の時期には個人差があります。

中絶は安全性が高い手術ですが、やはりリスクはあります。そのため、確実な避妊やアフターピルについての正しい知識をもとに、ご自分に最適な方法を考慮することが大切です。当院では、望まない妊娠を避けるために、そして女性がご自分を確実に守るための避妊方法について、専門的な立場からアドバイスをさしあげています。