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2017.05.19

子宮付属器炎について

横浜市の田渕レディスクリニックです。
今回は子宮付属器炎についてご案内いたします。

子宮付属器炎とは?

子宮付属器炎とは、子宮に付属する卵管、卵巣に細菌が侵入し、炎症を起こした状態のことをいいます。
その際に卵管に炎症が起これば卵管炎、卵巣に炎症が起これば卵巣炎となりますが、この二つは合併して発症することが多いので、卵管炎と卵巣炎を合わせて子宮付属器炎と呼ばれています。
多くは子宮内膜炎から続けて発症し、慢性化すると不妊の原因にもなります。主な原因菌はクラミジア、淋菌、ブドウ球菌、連鎖球菌、大腸菌、結核菌などで、大半は膣から子宮頚管、子宮体部へと粘膜上を上行感染して卵管や卵巣に至ると炎症を起こしていき、結核菌は肺や腹膜から血流に乗って卵管などに感染し、子宮付属器炎を引き起こすこともあります。また子宮付属器炎は流産、中絶、出産後などに発生しやすく、処置時の衛生状態や体力の低下が考えられます。

症状

炎症が激しい急性期には、40度近い高熱が出る、下腹部に強い痛みが生じるなどの症状があり、その後嘔吐や不正出血、膿状のおりものが増加してくる場合もあります。
さらに、炎症で腫れて卵管が塞がると、卵管内や卵巣に膿がたまって、脳腫や膿瘍ができることもあります。子宮付属器炎が慢性化すると、卵管や卵巣が周囲の臓器と癒着を起こし、下腹部の鈍痛、腰痛、月経痛、排便痛、排尿痛などが現れます。子宮付属器炎の慢性化による癒着や卵管の障害は、子宮外妊娠の原因になったり、細菌が卵管や卵巣からさらに骨盤内に広がると、腹膜炎を起こす危険も高くなります。

治療

急性期には入院し、安静を保ったうえで、抗生物質を中心とした薬物療法を行うなどの処置が必要になります。多くは抗生物質の投与によって慢性化することなく快方に向かいますが、治療を行っていても慢性化が進行する場合もあり、その場合は手術が必要になることも あります。慢性化を防ぐためにも、適切な治療や投薬をできるだけ早く受けるようにすることが大切です。高熱に伴う腹痛があった場合は子宮付属器炎の可能性を疑い、早急にクリニックを受診するようにしましょう。

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