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2019.11.23

月経量が多い場合の原因と疾患

横浜市の田渕レディスクリニックです。
今回は月経量が多い場合の原因と疾患をお伝えします。

◆血の塊が多いのは病気が原因?

月経の際の出血は子宮内膜が剥がれ落ちたものがほとんどで、多くの場合は酵素の力によってサラサラの液状になった状態で体外に排出されるため、血の塊にはなりません。
ですが月経量が多い場合、サラサラの液状にならずに塊の状態で出てくる場合があります。少量、あるいか血の塊自体が小さい場合には心配しなくても大丈夫な場合がほとんどですが、血の塊が大きい場合や量が多い場合、あるいはそれに伴い月経量が多いといった場合には「過多月経」と診断されます。

過多月経の原因には病気が原因の場合と女性ホルモンの分泌異常の場合があります。

・婦人科系の病気
宮に良性の腫瘍ができる「子宮筋腫」
ホルモンバランスの崩れが原因「子宮内膜増殖症」
子宮以外の場所に子宮内膜やそれに類似した組織ができてしまう「子宮内膜症」
子宮内感染や子宮内膜ポリープなど

・女性ホルモンの分泌異常
ホルモンバランスが乱れ、子宮内膜をきれいにするためのプロゲステロンの働きが悪い状態になると、子宮内膜が異常に厚くなることが原因の場合もあります。
ほかにも甲状腺機能異常など内科の病気が関係していることもあります。

大きな血の塊がたくさん出る、ナプキンを変えても1時間もたないほど経血量が多いといった場合には過多月経や婦人科系の病気の可能性がありますので、クリニックで診察を受けるようにしてくださいね。

2019.11.16

月経量が少ない場合の原因と疾患

横浜市の田渕レディスクリニックです。
今回は月経量が少ない場合の原因と疾患をお伝えします。

◆月経量の変化の原因

月経は女性ホルモンのバランスの変化によって経血量が増減したり、日数が短くなったり長くなったりすることがあります。
経血量が少ないと不快感が少なくなりますが、以前の量と比べてあまりにも少ないと不安になりますよね。経血量が急に少なくなる原因や疾患には以下のようなものがあります。

・女性ホルモンの分泌量が低下している
女性ホルモンの一つであるエストロゲ ンには妊娠に備えて子宮内膜を厚くする働きがあります。エストロゲンの分泌量が減り、子宮内膜が薄くなると、月経時の血液の量も少なくなります。

・女性ホルモンのバランスが崩れている
女性ホルモンには子宮内膜を厚くする役割のあるエストロゲンと、厚くなった子宮内膜を月経の時にはがして子宮の中をきれいにするプロゲステロンの二種類があり、エストロゲンが十分分泌されて子宮内膜がきちんと厚くなっていても、プロゲステロンの分泌が不十分だと子宮内膜がうまくはがれずに月経量が少ない、あるいは少ない出血が長く続いてしまう。

子宮内膜が厚くなっているのに子宮内から出てこない症状を子宮内膜増殖といい、子宮体がんの原因になってしまいます。出産回数の少ない女性ほど起こりやすい症状なので、もしも以前より経血量が少なくなった、あるいは少ない出血が長く続くといった場合には、プロゲステロン補充のホルモン治療を受ける必要があります。
経血量が少ないことが続くようであればクリニックに相談してください。

2019.11.09

ピルの服用をやめる場合について

横浜市の田渕レディスクリニックです。
今回はピルの服用をやめる場合についてお伝えします。

■ピルをやめる最適のタイミングは?

ピルをやめる必要がある場合、やめるタイミングとしては1シート服用し終わったタイミングがよいでしょう。服用を中止した場合、半年以内に正常な月経周期に戻ることがほとんどです。
ピルを服用する以前から月経不順があった場合には月経が再開しない場合もありますが、その場合にはクリニックで診察を受けるようにしてください。
ピル自体は女性ホルモンでできていますので、やめるのに支障はありません。

また、妊活のためにピルの使用をやめる場合、ピルの使用をやめてすぐに妊娠できる人もいれば、きちんと排卵が起こり、正常な月経周期に戻ってからようやく妊娠できる人もいるなど、個人差があります。
妊娠には様々な環境が整うことが前提であり、一概にピルをやめればすぐに妊娠ができるという訳ではありませんが、長期間ピルを服用していたとしても妊娠しにくくなることはありませんし、ピルを必要に応じて服用することで避妊はもちろん、パフォーマンスを発揮しやすくなったり、旅行や出張といった際にも月経の心配をしなくても済むといったメリットもありますので、妊娠を含む女性の体の環境をよくするための手助けになるといえるでしょう。

2019.10.26

寒くなるとトイレに行きたくなる理由

横浜市の田渕レディスクリニックです。
今回は寒くなるとトイレに行きたくなる理由についてお伝えします。

◆寒さと尿意の関係 

寒くなるとトイレに行く回数が増えるといった経験をしたことがある女性は少なくないでしょう。夏に比べて水分の摂取する量も少ないはずなのに不思議だと感じる人もいるかもしれません。もちろん水分をたくさん摂取することで、トイレに行く回数は増えますが、同様に寒くなって体が冷えることでも増えます。
人は普段から余分な水分を汗や尿として対外に排出しています。暑い時期には汗を多くかきますが、体内からあまり水分を出さないためにも、逆に尿の量を少なくして調節をしています。そして寒い時期になると逆に汗をかかなくなるため、排出すべき体内の水分を尿として出すことになるので、結果トイレに行く回数が増えるというわけです。

寒さによって排出される尿は黄味の薄い透明に近い色で、サラサラしているといった特徴があるので、尿の色や濁りによって体が冷えているかどうかを判断することができます。女性の場合、体の冷えは膀胱炎につながることもありますので、温かい飲み物や食べ物をとり、腹巻やカイロなどで下腹部を温めるようにしましょう。
成人の場合、トイレの回数は日中で7~8回、就寝時に1回が平均的な回数といわれていますが、それ以上の回数の場合には病気の可能性もあるため、注意が必要です。
膀胱腫瘍、子宮筋腫、腎疾患、尿路感染症といった膀胱に近い場所に病気があると、刺激を受けて頻尿になりやすいため、気になる症状がある場合には、一人で悩まずにクリニックへ相談するようにしてください。

2019.10.19

卵巣腫瘍について

横浜市の田渕レディスクリニックです。
今回は卵巣腫瘍についてお伝えします。

◆良性と悪性、種類や大きさも様々

卵巣は本来の大きさはウズラの卵ほどの大きさですが、なんらかの原因で腫れて大きくなってしまったものを卵巣腫瘍といいます。卵巣は体の中でもさまざま種類の腫瘍ができます。
卵巣腫瘍は大きくのう胞性と充実性の2種類に分けられ、その内のう胞性の腫瘍である卵巣のう腫に属するものが多く、全体の9割を占めています。また、卵巣のう種は多くの場合は良性ですが、逆に充実性腫瘍の約8割が悪性になります。
いずれの場合も自覚症状が出にくいため、ご自身での早期発見がむずかしく、また腫瘍が良性か悪性かの識別、悪性化への予測がつきにくいといった面から、内診や触診、超音波断層撮影、腫瘍マーカーなどによって良性・悪性の識別を行い、最終判断には腫瘍を切除してその組織を調べる必要があります。
卵巣のう腫は、内部に液体がたまり、ブヨブヨとしているのが特徴で、のう腫内の内容物によって3つの種類に分けられます。
●漿液性のう腫
卵巣のう腫の中でもっとも多く、無色または黄色がかった透明な液体が入っている。鶏卵大ほどの大きさで、多くは良性であるが、それ以上の大きさになると悪性になる場合も。
●偽ムチンのう腫
粘り気のある液体が入っており、これも良性が多い。のう胞が破れると腹腔内にこの液体を分泌する細胞が広がってしまう。
●皮様のう腫
ドロドロとした皮脂分泌物が入っており、中には髪の毛や歯、骨、皮下組織、筋肉、脂肪などが含まれている。多くは良性である。

充実性腫瘍の種類
充実性腫瘍はかたいコブ状の腫瘍で、悪性型、中間型、良性型の3タイプに分かれます。
●悪性型
いわゆる卵巣がんのことで、充実性の多くがこの悪性型になります
●中間型
基本的には良性なのだが、ときに悪性に変化するがあり、楽観できない
●良性型
悪性の多い充実性の中でも、ごくまれに良性のものがある

◆症状

腫瘍が小さいうちはほとんど症状らしい症状はなく、こぶし程度の大きさになって初めて症状が出てくることがあります。卵巣のう腫の場合、のう腫の成長にともなって卵巣が大きくなると、横になってわき腹をさわったときに、しこりを感じることがあります。また、周囲の臓器が刺激を受けたり圧迫されたりするために、腹部の圧迫感、下腹部の膨満感や痛みを感じたり、月経痛や月経周期異常、排尿障害、腰痛、便秘などが見られます。さらにのう腫が巨大化すると、栄養障害を引き起こして体重が減少する場合も。

◆治療

良性と悪性との識別がしにくく、腫瘍がある程度大きくなると、卵巣が根元からねじれてしまう茎捻転を起こす可能性もあるため、発見された場合にはすぐに手術を行い、摘出します。とくに悪性のものが多い充実性腫瘍の場合は、速やかな手術が求められます。
良性腫瘍の場合は、腫瘍のみの摘出になりますが、腫瘍がかなり大きくなっている場合には、卵巣ごと摘出しなければならないこともあります。
悪性の場合には、腫瘍のある卵巣だけでなく、もう片方の卵巣や子宮、卵管なども取り、抗がん剤での化学療法を行う必要があります。

2019.10.12

インフルエンザの流行について

横浜市の田渕レディスクリニックです。
今回はインフルエンザの流行についてお伝えします。

◆すでにインフルエンザの兆しも

インフルエンザは例年12月から3月にかけて流行しますが、今年はすでに9月後半の時点でインフルエンザの流行開始の目安となる人数が報告されています。全国的な流行拡大の時期はまだわかりませんが、住んでいる地域で流行が始まっている場合には、早めのワクチン接種をおすすめします。
今後本格的な流行が予想されますので、インフルエンザの予防と感染の拡大を防ぐための対策をお伝えします。

インフルエンザの予防方法
・こまめな手洗い
・休養をしっかりととる
・マスクの着用
・バランスの取れた食事をとる
・適度な室内の換気や加湿を行う
・予防接種

インフルエンザのウイルスにはA型、B型、C型の3タイプがあり、流行するのはA型とB型ですが、どのタイプのウイルスが流行するかはわかりませんので、毎年WHO(世界保健機関)が予測したものを参考にして各国がワクチンを製造するため、ワクチンを接種しても異なるウイルスに感染してしまった場合はインフルエンザを発症する可能性があります。
ですが、予防接種はインフルエンザの重症化を防ぐことを目的としており、ワクチンのタイプが合わなくても、感染してからの発症を抑えたり、肺炎や脳症といった死亡に至るような病気の併発を防いでくれます。
また、妊娠中であっても予防接種を受けることは可能で、ワクチンを接種することで胎児にも抗体が移行することも期待できることから、なるべく予防接種を受けるようにしましょう。

当クリニックでも予防接種が始まりましたらお知らせします。

2019.09.30

ピルの飲み忘れについて

横浜市の田渕レディスクリニックです。
今回はピルの飲み忘れについてお伝えします。

◆ピルを飲み忘れたらどうすればいい?

まず、ピルには21日間服用タイプと28日間服用タイプがあります。21日間服用タイプは、1シート21錠すべてにホルモンが含まれており、1日1錠服用した後、22日目から7日間は服用を休むというサイクルです。
28日間服用タイプは、1シートに28錠収められていますが、ホルモンを全く含まない7錠の錠剤(プラセボ)があり、28日間1日1錠服用し、1シート全部の錠剤を飲み終えたら、翌日からは次のシートの服用を始めます。

ピルは月経初日に服用を始め、毎日ほぼ一定の時間に飲むようにし、それぞれのタイプに合わせて服用を行うようにします。
効果がなくなってしまうので、原則ピルは絶 対に飲み忘れないようにすることが大切ですが、もしも忘れてしまった場合は以下のようにしてください。

・1日飲み忘れた場合
飲み忘れに気がついた時に1錠すぐ飲むようにし、その日飲む予定だった分も通常通りに飲むようにする(1日2錠飲む)

・2日以上飲み忘れた場合
2日以上飲み忘れた場合、クリニックに相談するようにしてください。

2019.09.19

月経ではない不正出血について

横浜市の田渕レディスクリニックです。
今回は月経ではない不正出血についてお伝えします。

◆不正出血の理由を見逃さないで

月経の始まる前、もしくは月経が終わった後に出血があったり、月経が長く続いてしまうと、重大な病気になっているのではと不安になることと思います。不正出血の原因はさまざまで、少量の出血の時もあれば、大量に出血することもあり、病気のサインとして見逃さないようにしましょう。

 まず、病気以外で起こる不正出血を「機能性出血」といいます。機能性出血はホルモンバランスの乱れが原因の出血で、月経の前後に子宮内膜がはがれてしまったり、ホルモン分泌が不安定な思春期や更年期には、排卵が起こらないことで子宮内膜をリセットできず、子宮内膜が厚くなりすぎての出血が起こる場合もあります。
一方、子宮や膣の病気が原因の不正出血は「器質性出血」といい、子宮内や骨盤内の炎症や、ポリープなどの病気、子宮頸がんや子宮体がんの進行によって出血があります。
クリニックでは内診や検査をして器質的な原因がないかを調べるほか、妊娠可能年齢であれば妊娠のチェックも行います。
子宮頸がんと子宮体がんはいつでもリスクがあるので、定期的に検診を受けるようにしましょう。

2019.09.12

子宮頸がん検診の大切さについて

横浜市の田渕レディスクリニックです。
今回は子宮頸がん検診の大切さについてお伝えします。

◆子宮頸がん検診の普及率と重要性

日本は先進国の中では唯一、子宮頸がんの死亡率が増加傾向にあります。アメリカでは85%以上の女性が子宮頸がんの検診を受け、子宮頸がんの原因となるウイルスの感染を防ぐワクチンの接種を義務付けているため、子宮頸がんにかかる方も、亡くなる方も減少しています。
日本人の子宮頸がん検診の受診率は25%程度で、20代では10%未満です。子宮頸がんは月経が始まった女性であれば誰にでも発症するリスクがあります。ですが、子宮頸がんは早期発見、早期治療で完治の見込める病気です。
 そこでぜひ、子宮頸がん検診を20歳になったら受けるようにしてほしいのです。年齢が上がるとともに子宮頸がんにかかる人も増えてきますが、20代、30代で子宮頸がんになってしまった場合、妊娠や分娩ができなくなってしまう可能性もあります。若いころの子宮頸がんはその後の人生を大きく変えてしまう可能性のある、一大事といえます。
また、閉経したらもう子宮頸がん検診を受けなくてもいいのかと思われるかもしれませんが、検診を受けることでそれ以外の不調やがんの兆候を見つけられることもあります。がんになる前段階の状態で見つけられれば、早期の治療によって体への負担も軽く済みますし、完治の見込みも高くなります。

20歳を過ぎたら年に一度は子宮頸がん検診を受けるようにし、がんが重篤化しないうちに早期治療を心掛けるようにしましょう。

2019.05.25

ピルとコンドームの避妊率について

横浜市の田渕レディスクリニックです。
今回はピルとコンドームの避妊率についてお伝えします。

◆ピルとコンドームではどちらが避妊率が高い?

女性が服用するピルと男性が着用するコンドームはどちらも避妊の効果があります。ではどちらがより避妊率が高いのでしょうか。
コンドームは正しく使用することで約85%の避妊効果が得られます。ですが実際には正しい手順を守らなかったり、または正しい使用方法を知らず誤った使用をされている方が多い他、コンドーム自体の破損や劣 化、使用中に外れてしまうといった問題が発生する場合もあるため、本来の避妊効果を得られることが少なく、避妊効果が大きく低下しているのが実情です。
一方ピルの避妊率は飲み忘れなく正しく服用をすることで約99.7%の避妊効果があります。こちらも正しく服用しなかったり、飲み忘れがあった場合には避妊効果が低下してしまいますが、飲み続けることでほぼ確実に避妊ができることや、パートナーが避妊に非協力的であった場合であっても有効な避妊方法です。

◆コンドームの役割

避妊率の高さと確実性だけを見るとコンドームを着用しなくてもピルを正しく服用していればいいと思われるかもしれませんが、コンドームには避妊効果とともに性病の感染予防の効果があります。もちろん正しい使用方法あってこそですが、ピルには性病感染予防の効果はありませんので、避妊と同時に性病感染の予防のためにも、ピルとコンドームの併用が望ましいと言えます。

日本ではまだまだピルやコンドームへの正しい知識が得られていません。特にピルは避妊以外にも生理痛やPMS(月経前症候群)の軽減、生理周期を管理できるといったメリットがありますので、クリニックで相談のうえ、自身の健やかな生活のためにも正しい知識を身につけて使用を考えてみてください。

2019.05.04

体重増加は病気が原因の可能性

横浜市の田渕レディスクリニックです。
今回は体重増加は病気が原因の可能性ついてお伝えします。

◆体重増加は病気が原因の場合も

一般的に太る=食べすぎや運動不足が原因だと思われていますが、病気が原因で太る・太ったように見える場合があります。短い期間で急に太ったと感じた場合は、何日の間に体重がいくら増加したのか調べるようにしましょう。もしも体重増加の理由に思い当たるものがない場合は、病気を疑うことも必要です。
女性は病気の症状として体重増加が現れることは多いですが、病気が原因の場合はそれ以外の症状も同時に現れていることがありますので、ほかに症状がないかチェックをするようにしましょう。

◆症状として体重増加があらわれる病気

●子宮筋腫
30歳以上女性に多くみられ、子宮壁に良性の腫瘍ができるのが子宮筋腫です。できる腫瘍は悪性の腫瘍ではないのでがんにはなりませんが、腫れた子宮がお腹を押し上げるため、直径15cmほどになると下腹部が膨らんだように見える場合があります。
貧血、頻尿、便秘、月経量の増加、月経時にレバーのような血の塊が出るといった症状があります。

●卵巣腫瘍
卵巣の中に腫瘍ができる病気で、月経痛の悪化、腰痛、便秘、頻尿、下腹部痛といった症状があります。卵巣の腫瘍が大きくなってくると下腹部が膨らむことがあり、体重に変化はないのに太ったように感じる場合があります。

●甲状腺機能低下症
食べる量が少なくても体重が増える、むくみが全身に現れ、まぶたや唇、口内の粘膜がむくむことで顔がはれぼったい印象になる、体がだるい、無気力、便秘、月経量が増えるといった症状があらわれます。甲状腺ホルモンの分泌が少なくなり、心身の働きが低下している状態です。

●多嚢胞性卵巣症候群
初潮を迎えた10代~30代くらいの若年層に発症する、卵巣内の卵胞が正常な数よりも多くできてしまい、排卵が起こりにくくなる病気です。生理不順や不正出血、肥満や多毛といった症状が出る場合もあります。

ほかにもうつ病などは、自律神経の乱れが原因で過食になりやすいほか、治療の薬には食欲増進の副作用によって食欲のコントロールができず、体重が増加してしまう場合も。

2019.02.16

萎縮性腟炎について

横浜市の田渕レディスクリニックです。
今回は萎縮性腟炎についてお伝えします。

◆萎縮性膣炎とは

萎縮性膣炎は閉経によって女性ホルモンが低下することで膣や外陰部に炎症が起こる症状です。
女性ホルモンには様々な役割があり、膣の粘膜にうるおいを与える、自浄作用により膣内部をきれいに保ち、細菌から膣内を守る働きがあります。しかし閉経とともに女性ホルモンは徐々に分泌量が少なくなり、膣内の粘膜の乾燥や萎縮から炎症が起こりやすくなるほか、自浄作用が低下することで細菌に感染しやすくなるため、症状がさらに悪化する場合もあります。
萎縮性膣炎の症状には閉経後の乾燥による膣や外陰部のかゆみ、性交痛、頻尿、出血などがあります。日常生活の軽い動作による刺激であっても、乾燥のせいで皮膚や粘膜にびらんや潰瘍ができやすくなります。また、性交時に強い痛みを伴うこともあります。

◆治療・予防

一般的に治療は膣錠や内服薬による薬物療法になります。適切な治療を行うことでおよそ1~2週間ほどで症状の改善が見込めます。
ですが、日常的に刺激を受ける部位であることから、症状が改善した後も時間の経過とともに再発する場合もあるので、その場合は再度治療を受けることが必要になります。
また、膣の自浄作用が低下していることで症状が悪化するので、普段から外陰部を清潔に保つよう心がけるようにしましょう。

適切な治療を行うことで萎縮性膣炎は改善が見込めますが、子宮がんなどが原因で同じような症状が出る場合もあるので、症状があらわれた場合には早めにクリニックに相談するようにしてください。

2018.09.15

性器ヘルペスQ&A

横浜市の田渕レディスクリニックです。
今回は性器ヘルペスに関する疑問にお答えします。

◆性器ヘルペスって?

性器ヘルペスとは、ヘルペスウイルスに感染している人との直接の皮膚接触によって感染する性感染症です。
性器ヘルペスは自覚症状が出にくいので、知らず知らずのうちに感染し、パートナーにもうつしてしまう可能性のある病気です。
自分自身やパートナーがお互いにこの病気のことを理解し、相手にうつるのを防ぎ、性器ヘルペスに対し適切な対処を行うことが何より大切です。

自分自身、あるいはパートナーが性器ヘルペスに感染していることがわかった場合、気をつけたい点についてお答えします。

Q.パートナーが性器ヘルペスに感染していました、どのようにしてかかったのでしょうか?

A.性器ヘルペスであると診断されても、パートナーが不誠実であるという訳ではありません。
パートナーが性器ヘルペスに感染していると分かった時は不安な気持ちになることもあるかもしれませんが、性器ヘルペスに感染している人の多くは感染していても目立った徴候が現れず、自分が感染していることに気がつかない場合があるので、もしかしたらパートナーはあなたから感染したのかもしれません。
性器ヘルペスの症状は一人一人異なります。もしあなたが感染していてもまったく気が付かない場合もありますし、症状の出ていないあなたから感染したパートナーが重度の症状を引き起こす可能性もあるといえます。
もしもパートナーが性器ヘルペスだと分かった場合には、まずご自身の感染の可能性も考え、一度診察を受けるようにしましょう。

Q.性器ヘルペスに感染しているかを調べることはできますか?

A.感染の徴候(性器の周辺にかゆみや小さな傷、赤い発疹があるなど)が自覚できる場合はクリニックで診察を受けるようにしてください。
水ぶくれや潰瘍から分泌物を採取し、単純ヘルペスウイルス2型の有無を検査します。

 

Q.性器ヘルペスにかかっている場合、妊娠や出産に影響はありますか?

A.性器ヘルペスは遺伝しない病気なので、感染していても妊娠には影響がありません。
感染した時期によって赤ちゃんの性器ヘルペスに対する感染リスクは異なります。
妊娠前に感染したことがある場合、母親の胎盤を通じて赤ちゃんにも免疫ができ、出産時にヘルペスウイルスから赤ちゃんを守ってくれるので、新生児へのヘルペスウイルスの感染リスクは非常に低くなります。
また、子宮内でヘルペスウイルスが胎児に感染することは極めて少ないので、妊娠初期や中期に感染した場合もそれほど心配ありません。
ですが、妊娠後期から出産時にはヘルペスウイルスの存在する産道を胎児が通るため、新生児ヘルペスになるリスクがもっとも高くなります。母親が初感染の場合は、母親も単純ヘルペスウイルスに対する免疫が十分に備わっていないため、赤ちゃんをウイルスから守ることができません。
妊娠後期から出産時には性器ヘルペスへの感染に十分に気を付けるようにしましょう。

 

Q.パートナーが感染している場合、妊娠中に気を付けることはありますか?

A.パートナーが感染していることがわかっている場合、もしあなたが性器ヘルペスに感染していなくても、医師に伝えるようにしてください。
パートナーが感染している場合、妊娠中のセックスには避けるようにし、できるだけオーラルセックスも避けるようにしましょう。性器ヘルペスは症状が出ていなくても感染します。
直接の皮膚接触によって感染する危険性のあるウイルスであることを忘れないようにし、常に安全なセックスをするように心がけてください。
感染の徴候がある場合や、「もしかして…」と不安に思ったら、すぐに診察、検査を受けるようにしましょう。

2018.07.25

外陰部掻痒症について

横浜市の田渕レディスクリニックです。
今回は外陰部掻痒症についてお伝えします。

◆外陰部掻痒症とは

外陰部から肛門にかけておこる強いかゆみや痛痒くなる症状の総称を外陰部掻痒症といいます。
外陰部の一部または全体に、強いかゆみや痛痒さを感じるようになり、かゆみのある部分が赤くなる場合もあります。
運動後や入浴時などの体が温まった時にかゆくなったり、締め付けの強い下着や履物の摩擦による刺激で我慢できないほどのかゆみに襲われる場合もあります。
この際に患部をかきむしって傷ができてしまうと、化膿の原因になってしまうので注意が必要です。

◆原因と治療方法

●外陰部の乾燥
特に閉経後に多く見られる原因で、女性ホルモンの分泌が減少し、外陰部周囲の皮膚粘膜に委縮が起こることで、乾燥による慢性的なかゆみや不快感、皮脂腺分泌物の不足が起こります。
不足している女性ホルモンを補うことによって症状は改善します。ですが投薬を中止すると症 状が再び悪化する場合があります。細菌、真菌等の感染症によって難治性になっている場合やまれに白板症、パジェット病などの前がん病変がある可能性もありますので、定期的に検診を受けるようにしてください。

●感染症
性成熟期に現れる外陰部のかゆみの場合、ばい菌の感染によるものが原因が多く、免疫力が低下していなければ普通の細菌に対しては皮膚に炎症を起こすまでには至らず、その後自浄作用により自然と治ります。
ところが免疫力が落ちている場合や夏などの湿気やすい時期の場合、カンジダと呼ばれる菌が通常以上に繁殖しやすく、感染すると強いかゆみを伴います。ほかにもHPV(ヒトパピローマウイルス)感染により外陰部にかゆみを感じる場合もあります。
治療には感染した菌にあわせた薬の服用や塗布を行います。市販薬のかゆみ止めなどは感染の再発と共に薬によるアレルギー、二次感染と症状が悪化する場合もありますので、扱う場合は十分な注意が必要です。

●皮膚過敏症
細菌感染によるかゆみや、下着やおりものシートなどによるむれや摩擦でかゆみが起こる場合があります。
日本人はもともときれい好きな人が多く、必要以上に体をきれいに保とうとして、体内を洗う時に石鹸を使って強く擦ったりした場合、体内の菌の感染を防ぐために備わっている常在菌がいなくなってしまい、機能が十分に発揮されず、細菌感染に対して弱い状態になってしまう場合があります。
石鹸などの洗浄力が強すぎるもので外陰部や膣内は洗わないようにし、むれやかぶれ予防として、通気性がよく締め付けすぎない下着を選んで着用するようにしましょう。

2018.06.15

妊娠の初期症状について2

横浜市の田渕レディスクリニックです。
今回は前回に引き続き妊娠の初期症状についてお伝えします。

妊娠初期症状の特徴

・胸の張りや痛み
妊娠すると女性ホルモンが急増し、黄体ホルモンによって乳腺や乳管が活性化したり、血液量を増やす働きによって胸の張りや痛みが生じます。
月経前などに胸の張りを感じる人がいますが、妊娠している場合の胸の張りは月経前より強く張る、強い痛みを覚える場合があります。

・腰痛
妊娠初期症状とは関係のない場合もありますが、着床すると分泌されるリラキシンというホルモンによって腰痛が起こる場合があります。リラキシンには骨盤を緩める働きがあり、周囲の筋肉や関節に負担がかかることなどにより腰痛が起こるとされています。

・腹痛や下痢
妊娠初期は子宮が大きくなろうとして、子宮内の筋肉が収縮することで腹痛の症状が出る場合があります。
通常の月経痛よりも痛みが強い、また痛みが長期間続くようであれば、流産や子宮外妊娠の可能性もありますので、すぐにクリニックに相談するようにしてください。

・頻尿
妊娠3ヵ月ごろまでは子宮が大きくなっていくにつれて膀胱を圧迫し、頻尿になることがあります。
4か月ごろを過ぎると収まっていくことが多いですが、妊娠後期になると、今度は大きくなったお腹によって膀胱が圧迫され、頻尿になる場合もあります。

・イライラする、情緒不安定になる
月経前と同様に、妊娠中はホルモンバランスが急速に変化するので、ささいなことでイライラしたり、不安になったり、涙もろくなってしまうなど、情緒不安定になりやすくなります。
自分をせめたりせず、リラックスしたり、気分転換できる環境を作るようにしましょう。
もしもご自身でのコントロールが難しいほどであれば、一度クリニックに相談してください。

◆妊娠初期症状がない場合も

妊娠初期症状は、必ずしもすべての人に現れるわけではありません。妊娠初期症状が全くないまま、月経がこないことなどから妊娠が発覚するケースもあります。また、同じ人でも妊娠の1回目と2回目とで初期症状の有無や程度などが異なる場合もあります。
妊娠初期症状があってもなくても、お腹の赤ちゃんに影響があることはないとされていますので、妊娠初期症状がなくて不安な気持ちになっていらっしゃる場合は、心配する必要はないので安心してくださいね。

2018.06.09

妊娠の初期症状について1

横浜市の田渕レディスクリニックです。
今回は妊娠の初期症状について2回に渡ってお伝えします。

◆妊娠の初期症状って?

妊娠してから0~15週(1~4か月)の間にあらわれる体調や精神的な変化を、妊娠初期症状と呼びます。
0~4週は妊娠超初期と言われる妊娠しているかどうかの判断がまだ出来ない時期で、この時期でも妊娠初期症状はありますが、変化に気が付かない場合が多いです。
妊娠初期症状としての様々な変化を感じやすくなるのは、妊娠してから5~6週頃と言われており、この頃になると自覚症状として身体の変化を感じられ、PMS(月経前症候群)に似た症状が出るようになります。

妊娠初期症状の特徴
・おりものの変化
妊娠初期のおりものが月経の時のものと異なり、おりものが茶色やピンクっぽくなる、量が多い、サラサラとしている、無臭になるなどの変化があります。
おりものの量が多く不快感がある場合は、下着をこまめに替えるか、おりものシートを敷くなどをして清潔な状態を保つようにしましょう。
風邪のような熱っぽさピンクっぽいおりものの場合は着床出血による血液が混ざっている場合がありますが、流産によって血液が外に出ている可能性もあるので、自己判断はせずに必ずクリニックに相談するようにしてください。
また、まれにおりものに膿のようなものが混ざっていたり、強いかゆみがある場合などは膣炎や外陰炎の可能性もありますので、クリニックを受診するようにしてください。

・熱っぽくなるなど、風邪のような症状が出る
妊娠するとホルモンの影響で高温期が続くため、微熱のような熱っぽさがあったり、アレルギー反応から、咳やのどの痛みがあるといった風邪によく似た症状が起こる場合があります。
月経が予定日を過ぎても来ず、微熱や咳、くしゃみが続く場合は妊娠初期症状の可能性があるので、風邪薬を飲むと胎児にリスクがある場合もあることから、クリニックを受診するようにしましょう。

・便秘
黄体ホルモンの一つであるプレゲステロンと呼ばれる女性ホルモンが妊娠の継続のために分泌されますが、このプレゲステロンには腸の働きを抑える作用があり、そのため便秘になりやすくなります。

・眠気や倦怠感がある日中の眠気
十分な睡眠をとっているにも関わらず、日中に仕事や家事をしていても急に眠くなったり、日常生活に支障が出ることがあります。
妊娠 初期は特に基礎体温の高さや黄体ホルモンの影響で、強い眠気を起こしやすくなります。眠気が妊娠初期症状としてあらわれた場合は、しばらく日中に強い眠気が続く場合があります。
あまりにも眠気がひどい場合は仮眠を取ったり、散歩やストレッチなどで気分転換をするのもおすすめです。

他にも胃痛や胸やけ、腹痛、下痢、頻尿などの症状が出る場合もあります。

2018.03.24

膣前庭乳頭症について

横浜市の田渕レディスクリニックです。田渕レディースクリニック
今回は膣前庭乳頭症についてお伝えします。

◆膣前庭乳頭症(ちつぜんていにゅうとうしょう)とは

聞きなじみのない名称だと思いますが、「膣前庭」とは小陰唇の内側部分のことをいいます。そして「膣前庭乳頭症」とは、その小陰唇の内側である膣前庭部分や尿道口付近に左右対称に1mm前後の小さな突起物ができる症状のことです。

膣前庭乳頭症の症状は尖圭コンジローマと間膣前庭乳頭症とは違われることが多く、同じように性器のまわりに突起物ができるのですが、尖圭コンジローマとは違い性感染症ではなく、生理的現象によるものです。

発症原因として「生理周期」や「女性ホルモン」との関係があり、生理周期によって突起物の発生する数や大きさが変わることがあります。また、痛みやかゆみを感じることもあります。
膣前庭乳頭症は生理的現象であり、病気ではありません。感染することもありませんので、治療の必要はなく、放置しておいても問題ありません。
ですが、前述したとおり症状が尖圭コンジローマとよく似ていますので、膣前庭乳頭症だと思っていたら尖圭コンジローマだったということもあります。

膣前庭乳頭症では発生する突起物が左右対称で、尖圭コンジローマは不揃いであるといった違いがありますが、この二つは判断が難しいケースも多くありますので、性器の周りに突起物が発生した場合は突起物が不揃いではないか、日が経つにつれて突起物が大きくなったり増えていくようだと感じた場合は、すぐにクリニックに相談するようにしてください。

2018.03.10

母乳分泌過多症について

横浜市の田渕レディスクリニックです。
今回は母乳分泌過多症についてお伝えします。

◆母乳分泌過多症とは

母乳分泌過多症とは、赤ちゃんが飲む母乳の量に対して分泌される母乳量が多すぎることを言います。母乳が多く分泌されるのは問題ないと感じる方も多いと思われますが、母乳分泌過多症になるとおっぱいに痛みを感じたり、乳腺炎になったりと、様々なトラブルの原因になるほか、母乳を飲む赤ちゃんにとっても母乳の量が多いと飲む時にむせたり、吐いてしまうなど、決して望ましくありません。

母乳分泌過多症の原因には、以下のようなものがありますので、原因を知り、改善していくように心がけていきましょう。

・赤ちゃんがおっぱいを上手に飲めていない
生まれたての赤ちゃんの中には、おっぱいを上手に飲むことができない子が多くいます。赤ちゃんがおっぱいを吸うために乳頭に刺激を与えると、お母さんの体は母乳を作りますが、赤ちゃんが飲めないままだと母乳が余ってしまい、母乳過多状態になってしまいます。

・乳腺が発達しすぎている
母乳の出る量は、母乳を分泌する乳腺の発達具合が関係しています。乳腺の発達には個人差がありますが、乳腺の発達が良すぎると、母乳分泌過多症になりやすいといわれています。

・搾乳のしすぎ
母乳過多になると、おっぱいが張って痛みを伴うこともあるため、張りを和らげるために搾乳を行う方も多いでしょう。ですが搾乳をし過ぎるとおっぱいに母乳がなくなってしまい、なくなった母乳を作ろうとしてしまうため、さらに母乳過多になってしまう可能性があります。張りを和らげるための搾乳をする際には加減して行いましょう。

・高プロラクチン血症
母乳過多の原因には高プロラクチン血症という疾患が関係していることもあります。プロラクチンは脳の直下にある脳下垂体から分泌されるホルモンで、母乳の分泌を促す働きがあります。
このプロラクチンの血中濃度が高すぎると、母乳過多やほかにも様々な症状をもたらします。

◆改善方法

おっぱいが張った状態で母乳を与えようとすると、母乳の勢いが良すぎて赤ちゃんがむせたり吐いたりする可能性がありますので、授乳前に軽くマッサージや搾乳をして、赤ちゃんが飲みやすい状態にしておきましょう。搾乳しすぎるのは母乳過多の原因となりますので、勢いを和らげる程度にしておきましょう。
赤ちゃんが上手に母乳を飲めていないと感じたら抱っこの仕方や飲ませ方を工夫して、赤ちゃんがきちんと母乳を飲めるようにしてあげることも大切です。赤ちゃんの飲み方を観察して、飲み方が浅くないか、顔や鼻を圧迫していないか、体や首がよじれていないかなどを確認して、赤ちゃんが上手に飲めるようにしてあげましょう。

2018.02.17

高プロラクチン血症について

横浜市の田渕レディスクリニックです。
今回は高プロラクチン血症についてお伝えします。

◆高プロラクチン血症とは?

まず、プロラクチンとは「乳腺刺激ホルモン」と呼ばれる脳下垂体から分泌されるホルモンで、母乳をつくるために欠かせないホルモンです。
本来であれば出産後に多く分泌されるホルモンですが、出産や授乳をしていないのにプロラクチンの数値が高い状態のことを高プロラクチン血症と言います。
プロラクチンの数値が高くなると、排卵障害や黄体機能不全による月経不順などが起こり、不妊の原因となります。
自覚症状が出にくく、乳汁が出るなどの症状がない限り自分では気づくことが難しい病気で、血液検査を受けることで初めてわかったという方も少なくありません。

自覚症状としてわかりやすい症状としては
・妊娠していないのに母乳が出る
・年に数回しか生理が起こらない
・無月経、無排卵、無排卵月経などの排卵障害
・胸の張りやしこり感
・頭痛や目の違和感
・習慣性流産
・骨粗しょう症
などがあります。

自覚症状として一番多いのは妊娠していないのに母乳が出ることです。授乳の必要がない時でもプロラクチンの値が高くなると乳汁が分泌されることがあります。
乳首を強く押したときに出たり、お風呂で温まったときに自然ににじみ出てきたり、片方だけ出たりと、人によって乳汁の分泌の仕方は異なります。
ですが、高プロラクチンであっても乳汁が出ない人や、症状に気付かないこともありますので、乳汁が出たから高プロラクチン血症だと判断はできません。
またプロラクチン値が正常でも母乳が出ることはあり、その場合は乳汁の色(茶色や赤色が混ざるとほかの病気の疑い)や、プロラクチン以外のホルモン値、生理周期、出産授乳の経験などを総合的にみる必要があります。
ほかに習慣性流産の方の15%に高プロラクチン血症がみられるとの報告もありますが、これは黄体機能不全を合併することが誘因になっていると考えられています。

◆原因

多くの症状や病気の原因は共通点がありますが、高プロラクチン血症の原因には以下のようなものが考えられます。

・肉体的、精神的ストレス
・薬による副作用
・脳下垂体の腫瘍

薬による副作用として胃潰瘍の薬や抗うつ剤など、他の治療薬によってプロラクチンが過剰に分泌されることがあります。
脳下垂体に腫瘍ができたことによるプロラクチンの過剰分泌が原因の場合もあり、他にも視床下部の病気や甲状腺機能の低下、てんかん、慢性腎不全など複数の病気によってプロラクチン値が高くなることがあります。

◆検査・治療

高プロラクチン血症は、採血によるホルモン検査で調べることができます。妊娠を望む成人女性の場合であれば、血液中のプロラクチンの正常値は5ng/mL前後で、15ng/ml以上になると高プロラクチン血症と診断されます。
治療の方法は妊娠予定があるかどうかで変わります。妊娠を積極的に望まない人の場合は、低用量ピルを使用しホルモンのバランスを整えていきます。生理不順や不正出血がある場合であれば、多くの方が3か月以内に改善していきます。低用量ピルが服用できない方には漢方薬での治療になります。
妊活中、もしくは今後妊娠を予定している人の場合は、プロラクチンの値を下げる薬を内服します。これにより排卵しやすくなり、妊活にも影響がなくなります。
不妊の原因になる高プロラクチン血症は、薬によってほとんどが改善しますが、日ごろからホルモンバランスを整える生活を意識することが改善につながります。
ストレッチなどの軽い運動で体を動かしたり、体を温めて自律神経を整えるなど、ストレスをためないようにしましょう。

    2018.01.20

    デリケートゾーンの洗い方

    横浜市の田渕レディスクリニックです。
    今回はデリケートゾーンの洗い方についてお伝えします。

    ◆清潔にしすぎるのはよくない?

    赤ちゃんの肌はもちもちとしていて、とても触り心地がいいですね。赤ちゃんの肌は柔らかくてとても繊細です。ですので、市販の石鹸やボディソープを使うと肌が荒れてしまうことがあります。
    これと同じように女性がデリケートゾーンを洗う際にも注意する必要があります。デリケートゾーンには元々清潔に保つための菌がいて、その菌が外部からの細菌などの侵入を防ぐ役割を持っています。
    石鹸やボディソープで洗ってしまうと、細菌を防ぐための菌まで一緒に洗い流されてしまうことになり、結果外部からの細菌に対抗することができず、逆に細菌が侵入、繁殖してしまうことになってしまう可能性があります。
    臭いや汚れが気になるからといって、しっかりと洗ってしまう方は多いと思いますが、デリケートゾーンを市販の洗剤や熱いお湯で洗ったり、指やタオルでこすってしまうと、皮膚を清潔に保つための常在菌や、粘膜を保護する皮脂膜が洗い流されてしまいます。
    常在菌や皮脂膜が洗い流されてしまい、守るものがなくなってしまった皮膚はとても弱く、かゆみや痛み、腫れなどの原因になってしまいます。
    また細菌が侵入しようとしてきた場合に、守るための常在菌がいない場合は膣内に細菌が侵入しやすくなり、侵入した細菌の増殖を抑えることが出来なくなってしまうこともあります。
    臭いや汚れを取り除くためにしたことが、かえってそれが原因で臭いが発生したり、病気になってしまう事態を招いてしまうこともありま す。

    ◆デリケートゾーンを清潔に保つためには?

    皮膚に必要な皮脂膜を洗い流してしまうと乾燥したり、黒ずみの原因になってしまうこともあります。デリケートゾーンを洗う時にははじめにお湯の温度を35℃~37℃程度のぬるま湯で洗い流していきましょう。
    洗う際にはタオルやスポンジではなく、指で丁寧に優しく洗い流すことで、ある程度の雑菌や汚れを洗い流すことができます。
    ぬるま湯で流した後は、ぬるま湯と石鹸を混ぜてしっかりと泡立ててからデリケートゾーンを洗うようにしましょう。また、臭いやかゆみ、黒ずみをしっかりと洗い流すには、デリケートゾーン専用の石鹸を使うことも効果的です。
    指で優しく丁寧にこするように洗っていき、最後に石鹸や汚れをぬるま湯で洗い流していきます。
    この時に洗い残しがあると、石鹸の残りから雑菌が繁殖して臭いやかゆみの原因になってしまいます。しっかりと洗い残しがないかを確認しながら洗い流していきましょう。
    また、シャワーを直接デリケートゾーンに当てるのも、刺激が強すぎるので黒ずみの原因になる可能性があります。シャワーで洗い流す場合は、弱い水圧で流すようにしましょう。

    もしも膣内から異常な刺激臭がしたり、異常なかゆみやおりものがあるようでしたら炎症を起こしていたり、ほかの原因がある可能性もあるので、クリニックに相談するようにしてください。

    2018.01.18

    バルトリン腺にできる症状や原因について

    横浜市の田渕レディスクリニックです。田渕レディースクリニック
    今回はバルトリン腺にできる症状や原因についてお伝えします。

    ◆バルトリン線とは

    バルトリン腺とは、膣の入口の左右にある性行為を滑らかにするための粘液を分泌する働きのある分泌腺で、普段肉眼で見ることはできません。
    このバルトリン線には「バルトリン腺炎」「バルトリン腺嚢腫」「バルトリン腺膿瘍」などの女性特有の外陰部のトラブルが起こることがあります。

    ・バルトリン腺炎
    分泌液を排出する開口部に大腸菌・ブドウ球菌・連鎖球菌などの細菌が侵入、感染することで化膿して、腟の入口付近が赤く腫れたり、痛みを伴うようになります。この状態をバルトリン腺炎といいます。

    細菌の侵入・バルトリン腺嚢腫
    バルトリン腺炎が起こると開口部が詰ま り、分泌液の排泄がスムーズに行えなくなります。その結果線内に粘液が溜まってしまい、のう胞と呼ばれるしこりができてしまい、これをバルトリン腺嚢腫といいます。腟の入り口付近が腫れることがありますが、痛みはなく、管の詰まりが解消すると腫れは治まります。

    ・バルトリン腺膿瘍
    バルトリン腺嚢腫でできたのう胞は、放置するとだんだん大きくなっていきます。のう胞内でさらに細菌が繁殖すると、内部に溜まった液が膿になってしまい、皮膚が真っ赤に腫れあがります。この状態をバルトリン腺膿瘍といいます。立ったり座ったり、歩いたりするだけで痛みがあります。

    バルトリン腺にできる症状は腫れや痛みを伴い、圧迫されると痛みが強くなり、腫れが大きくなると日常生活での動作が困難になることもあります。

    ◆治療

    早期で症状も軽いバルトリン腺炎は、原因菌に対する抗生物質と消炎剤を服用することで治ります。膿が溜まっている場合には先に膿を取り除いてから、抗生物質での治療を行います。
    バルトリン腺の症状は一度治療しても再発を繰り返すことが多くありますので、早期にきちんと治療を行うことが大切です。

    2018.01.06

    自然流産について その2

    横浜市の田渕レディスクリニックです。
    前回に引き続き自然流産についてお伝えします。

    ◆自然流産の手術について

    自然流産の場合は、必ずしも手術が必要というわけではありません。妊卵と胎盤が出るのを何もせずに待つことで、自然に流産が終了するのを待つことも可能です。これを「完全流産」といいます。
    ですが自然に排出されるのを待っている間に、突然の腹痛や出血が発生する恐れもあり、その際には手術をせざるを得ません。手術をする場合も、自然に流産が終了するのを待つ場合も、どちらも子宮内容物を取り出して、子宮をリセットすることという目的は同じになります。子宮内の出血の状態などを考慮したうえで、よりリスクが低く、母体にかかる負担が少ない方を選択することになります。

    ◆自然流産後の妊娠について

    子宮内容物の除去手術の後は出血や腹痛が数日続くことが多く、またその期間も個人によって差があります。術後の経過観察以降にも出血や腹痛、発熱などの症状が見られる場合は、合併症の可能性もありますので、早めにクリニックにご相談ください。
    他にも術後2か月以上経っても月経が来ない場合などの場合はクリニックを受診するようにしてください。
    月経は体のサイクルが元の状態に戻ったかどうかを判断するのにとても重要です。流産後2~3回目の月経以降から性行為を再開することが一般的ですが、妊娠を再度お考えの方はクリニックでのアドバイスの元、心身に無理のない形で再開することが望まれます。
    また流産をするたびに妊娠率が下がるといったイメージがあるかもしれませんが、そのようなことはありませんのでご安心ください。ですが、同じパートナーとの間で3回以上流産を繰り返しているなどの場合は、女性側のみならず、男性側にも原因がある可能性もありますので、詳しく検査をした方がよいといえます。

    ◆自然流産の予防法

    自然流産の予防法として確立されたものはあ りません。ですが、普段の生活習慣や健康に気を遣っておくことで、妊娠をするうえでも、また母子ともに健康な状態での出産を迎えるためにも、プラスになることでしょう。
    タバコや飲酒、カフェインの摂取を控えることや、栄養バランスのとれた食事を3食とる、質の良い睡眠を心がける、体を冷やさないようにするなどです。
    また、自然流産の後は、自分を責めてふさぎ込んでしまう人も少なくありません。ですが、流産はお母さんの責任では決してありませんので、リラックスして過ごすことを心がけてください。

    2017.12.23

    自然流産について その1

    横浜市の田渕レディスクリニックです。
    今回は自然流産についてお伝えします。

    ◆自然流産とは

    何らかの原因で妊娠22週未満に妊娠が終了してしまうことです。流産には大きく分けて2つあり、自然に妊娠が終わる「自然流産」と、人工的に流産を起こす「人工流産」に分類することができます。
    自然流産の原因には「お母さん側の原因」と「赤ちゃん側の原因」の2つがあります。
    お母さん側の原因には子宮の異常や感染症、内分泌疾患、黄体機能不全、内分泌疾患、夫婦間因子などがあり、赤ちゃん側の原因には染色体異常、遺伝子病などが挙げられます。
    また、早期に発生する流産の原因は染色体の異常(受精卵の異常)によるものが多く、受精した段階で流産の可能性が高かったということになります。これは染色体の異常により、胎児に成長する力が備わっていないことが原因で、事前に防ぐことができないものです。
    ですが、自然流産は決して珍しいことではなく、誰にでも起こる可能性があり、妊娠全体の約15%の確率で発症すると言われています。

    ◆自然流産の兆候や症状

    自然流産にはいくつかの兆候や症状があらわれる場合があります。以下の症状がみられる場合には自然流産の可能性もありますので、クリニックを受診するようにしてください。

    ・不正出血
    陣痛のような下腹部の痛みを伴い、不正出血がみられる。
    完全流産(胎児や胎盤といった子宮内容物が全部排出された状態)になると出血は止まりますが、一部でも残っている場合は出血がいつまでも続きます。

    ・腹痛、腰痛 
    妊娠中は子宮が大きくなることや便秘などの原因で、腹痛や腰痛がよくありますが、これは流産の場合にも見られる症状です。痛みが周期的であったり、お腹の張りが全体ではなく下腹部にだけある場合などは流産の可能性があります。

    ・つわりが突然なくなる
    妊娠後つわりがあったにもかかわらず、安定期に入る前に突然つわりがなくなった場合は、自然流産の可能性があります。ですが、つわりの有無だけでは流産かどうかの判断をすることは難しいので、クリニックに相談するようにしてください。

    自然流産には流産したことになかなか気づかない場合もあります。「化学流産」と呼ばれるケースでは、エコー検査で胎嚢が確認できる前に成長が止まってしまった状態になり、その後生理のような出血が起きます。また妊娠超初期の自然流産も気づかないことが少なくありません。

    2017.10.14

    子宮内膜増殖症について

    横浜市の田渕レディスクリニックです。
    今回は子宮の病気である子宮内膜増殖症についてお伝えします。

    ◆子宮内膜増殖症ってどんな病気?

    子宮の内膜は受精卵が着床するのに必要な準備のため、毎月増殖して厚くなりますが、その内膜が必要以上に増殖してしまうのが子宮内膜増殖症です。
    そのため月経になると剥離する内膜が増え、経血量が多くなる、経血の中にかたまりが混ざるなどの症状が出ます。
    ホルモンバランスの異常が原因で、エストロゲン(卵胞ホルモン)の作用が強く出ることで起こります。エストロゲンだけを投与するホルモン療法や、多のう胞性卵巣症候群、肥満が要因となる場合もあります。月経が不順な人は特に注意が必要です。
    この病気で増殖した内膜の細胞の異型が強い場合を「子宮内膜異型増殖症」といい、通常の異型のない増殖症では、がん化する可能性はわずかです。
    子宮内膜増殖症は子宮体がんの前がん状態にあたり、がんに変化する可能性があります。特に閉経後その確率が高くなりますが、近年では20代で内膜増殖症がみつかることも多くなっていますので、年齢にかかわらず、月経不順や不正出血などがつづく人は、子宮体がんの検診を受けることが望まれます。

    ◆治すには

    異型を伴っていない場合であれば、そのまま経過観察になります。3~6か月に一度は検診を欠かさず受けるようにしましょう。内膜増殖症の症状がずっとつづくようであれば、内膜が定期的に剥離するよう、規則正しく月経を起こすためのホルモン療法をすることもあります 。
    もしも異型だった場合は、閉経しているかどうか、これから妊娠を望むかどうかなどによって、治療方針が異なってきます。
    閉経後の場合は子宮体がんへ変化する可能性も高いので、子宮全摘出手術ですべて摘出するのがよいとされていますが、閉経前でこれから妊娠を望むような場合であれば、ホルモン療法を行う、子宮内膜を全面掻爬するなどの方法があります。

    また、不妊を伴っている場合は、排卵誘発剤できちんとした排卵をうながすことも内膜増殖症の治療になります。

    2017.05.19

    子宮付属器炎について

    横浜市の田渕レディスクリニックです。
    今回は子宮付属器炎についてご案内いたします。

    子宮付属器炎とは?

    子宮付属器炎とは、子宮に付属する卵管、卵巣に細菌が侵入し、炎症を起こした状態のことをいいます。
    その際に卵管に炎症が起これば卵管炎、卵巣に炎症が起これば卵巣炎となりますが、この二つは合併して発症することが多いので、卵管炎と卵巣炎を合わせて子宮付属器炎と呼ばれています。
    多くは子宮内膜炎から続けて発症し、慢性化すると不妊の原因にもなります。主な原因菌はクラミジア、淋菌、ブドウ球菌、連鎖球菌、大腸菌、結核菌などで、大半は膣から子宮頚管、子宮体部へと粘膜上を上行感染して卵管や卵巣に至ると炎症を起こしていき、結核菌は肺や腹膜から血流に乗って卵管などに感染し、子宮付属器炎を引き起こすこともあります。また子宮付属器炎は流産、中絶、出産後などに発生しやすく、処置時の衛生状態や体力の低下が考えられます。

    症状

    炎症が激しい急性期には、40度近い高熱が出る、下腹部に強い痛みが生じるなどの症状があり、その後嘔吐や不正出血、膿状のおりものが増加してくる場合もあります。
    さらに、炎症で腫れて卵管が塞がると、卵管内や卵巣に膿がたまって、脳腫や膿瘍ができることもあります。子宮付属器炎が慢性化すると、卵管や卵巣が周囲の臓器と癒着を起こし、下腹部の鈍痛、腰痛、月経痛、排便痛、排尿痛などが現れます。子宮付属器炎の慢性化による癒着や卵管の障害は、子宮外妊娠の原因になったり、細菌が卵管や卵巣からさらに骨盤内に広がると、腹膜炎を起こす危険も高くなります。

    治療

    急性期には入院し、安静を保ったうえで、抗生物質を中心とした薬物療法を行うなどの処置が必要になります。多くは抗生物質の投与によって慢性化することなく快方に向かいますが、治療を行っていても慢性化が進行する場合もあり、その場合は手術が必要になることも あります。慢性化を防ぐためにも、適切な治療や投薬をできるだけ早く受けるようにすることが大切です。高熱に伴う腹痛があった場合は子宮付属器炎の可能性を疑い、早急にクリニックを受診するようにしましょう。

    2016.12.24

    妊娠週数の数え方

    横浜のみなさんこんにちは。今回は、妊娠した時の週数の数え方についてお話しします。皆さんがよくお使いになっているアプリなどで、簡単に週数がわかるようになっていて便利になったと思います。ただし、細かいところまでは当然ながらカバーできません。一つには、みなさんそれぞれ生理周期がバラバラであったりするからなのですが、きちんと28日周期で生理が来ている方はアプリに任せて大丈夫です。しかし、周期が長かったり毎回違ったりしたときは注意が必要です。基本は排卵日です。排卵日を妊娠2週として数えます。もちろん妊娠が成立した後でのことなので、実際には妊娠2週という言い方はありません。同じ最終月経から仮に6週間経っている方が2人いらっしゃって、どちらも妊娠検査薬陽性であっても、出産予定日が異なることは普通にあることです。一般に生理周期が長い方は、無月経5週や6週であっても実際には4週であり、エコー検査をしても胎嚢が見えないために子宮外妊娠の可能性などを言われて、びっくりして当院にいらっしゃる方も珍しくありません。このようなことを避けるためには、普段できるだけ基礎体温をつけて、ご自分の排卵日がいつ頃なのかを把握しておくことが大切ですね。

    2016.11.21

    女性の冬の寝汗について

    横浜 の皆さま、こんにちは!!
    田渕レディース クリニック院長 の田渕 です。
    今回は女性の冬の寝汗とその原因や対策についてご案内いたします。

    寝汗はどうしてかくの?

    寝汗は体温を調節するために起こる生理現象であり、とても大切な機能です。
    人は寝ている間におよそコップ1杯分の汗をかくと言われており、風邪などで高熱が出た際などは、大量の汗をかいて適切な体温になるよう調整をしています。

    寝汗冬場に寝汗がひどい場合の原因

    ですがそうした状態ではないのにも関わらず、異常なくらい寝汗の量が多い場合は、女性の場合多くはホルモンバランスの乱れが原因です。
    生理や妊娠、更年期など、女性ホルモンの増減が激しい時は、自律神経の働きも乱れてしまうので、汗をかきやすくなってしまいます。
    他には甲状腺のはたらきが乱れている場合も考えられます。首や上半身に寝汗をかくという人は甲状腺に何かしらの異常が起きているかもしれません。
    このような場合は内分泌系の病院で診察してもらうようにしましょう。

    ホルモンバランスの乱れからくる寝汗の対策

    ・生理
    自分自身の生理周期やリズムを把握することで、いつ頃から高温期がはじまり、寝汗が多くなるかが分かっていれば、突然寝汗の量が増えても驚かずに済むようになります。
    また普段から自身の基礎体温を測っておくことは、体調管理にも繋がりますので、毎朝決まった時間に測るようにしておくとよいでしょう。
    もし多量の寝汗が続いて、毎回辛いようであれば、婦人科へ行って診察してもらうようにしましょう。

    ・妊娠
    妊娠中はどうしてもホルモンバランスが乱れやすくなります。身体的にも精神的にも変化が生じやすく、特に妊娠初期は基礎体温が上がり、寝汗もかきやすくなります。
    体温が上がるのは赤ちゃんを守るための仕組みなので、安定期になれば自然と寝汗の量も減っていくでしょう。
    ですが妊娠後期になっても多量の寝汗をかくようであれば甲状腺異常を起こしている可能性もあるので、婦人科や産婦人科に行って症状の報告と相談を受けるようにしましょう。

    ・更年期
    更年期になるとエストロゲンというホルモンが不足し始め、それによって脳が興奮状態になったり、情緒不安定になり、自律神経にも悪影響を及ぼすことで、発汗が多くなり、結果多量の寝汗の原因になってしまうのです。女性ホルモンの不足
    女性ホルモンの不足が原因なので、それを補うことで症状を和らげることができます。
    婦人科へ行って医師の指導のもと、サプリメントや投薬、漢方などを処方してもらい、用法容量を守って服用するようにしましょう。

    いかがでしたでしょうか?
    多量の寝汗の原因には他にもストレスが大きな要因になっている場合もあり、ストレスからの寝汗がストレスになってさらに症状が悪化してしまう場合もあります。
    気になる場合は婦人科へ相談するようにしましょう。

    2016.09.01

    性感染症「尖圭コンジローマ」とは

    横浜の皆さま、こんにちは!! 田渕 レディース クリニック院長 の田渕 です。
    前回は「性器ヘルペス感染症」についてご案内させていただきました。
    今回は「尖圭コンジローマ」についてご案内いたします。

    性感染症「尖圭コンジローマ」

    尖圭コンジローマはヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスが原因となる性感染症で、性器や肛門のまわりにイボができる病気です。HPVは人にのみ感染するウイルスで、良性のHPVは尖圭コンジローマ、悪性のHPVは子宮頸がんの原因になります。
    人の皮膚や粘膜の傷などから感染し、性行為や口唇性交によって口へ感染する病気で、性行為だけでなく、公衆浴場なども感染の要因になりえます。
    感染率が60~80%と非常に高く、男女問わず20代に多いといわれており、性感染症のなかでも、性器クラミジア感染症、淋菌感染症、性器ヘルペスウイルス感染症についで多く報告されています。
    尖圭コンジローマの患者数が減少しない理由の一つは、コンドームの使用率が低いことがあります。日本はコンドームの生産大国として知られていますが、それに反して使用率は低くわずか40%ほどで、世界的に見ても使用率の低い結果が出ています。

    HPVに感染すると1~2カ月ほどの潜伏期間を経て、性器とその周辺、肛門、足の付け根部分などにイボができます。口に感染した場合には唇や口の中できることもあります。
    非常に再発する可能性が高い病気で、3ヵ月以内に約30%は再発するといわれてます。
    他の感染症と一緒に感染した場合を除き、このイボはかゆみや痛みをあまり感じないことが多く、見えない部分に出来た場合気付くのが遅れてしまいます。
    イボは大きくなったり、周辺に同じようなイボがたくさんできたりすることも多いですが、このイボは治療することができます。
    ウイルスはイボの周りの皮膚にも潜在しており、治療をしない限りイボはどんどん増え続けることになるので、自然治癒に期待してしまうのは大変危険です。
    尖圭コンジローマに感染していると、局所の傷害のためHIV(エイズ)感染を受けやすい状況となるので、HIV感染率が10倍以上に高まるという報告もありますので、尖圭コンジローマが疑われる場合は速やかにクリニックで診察を受けるようにしましょう。
    また母子感染で新生児への感染もあり、赤ちゃんの咽にイボができると呼吸困難になり命に関わることがあります。妊娠中の場合は、分娩までには治療することが必要です。

    検査・治療

    尖圭コンジローマの予防についてはコンドームの使用はある程度効果的です。ですが、コンドームに覆われていない部分にもウイルスが潜伏していることもあるため完全に予防することは難しいのが現状です。
    自覚症状がある場合は、早期にクリニックへ行くことをお勧めします。また、パートナーと一緒に感染している場合が多いので、二人一緒に受診・治療をする必要があります。
    ウイルス自体を完全に取り除くことは難しいのですが、イボは外科的に取り除くことができます。最近ではベセルナクリームというコンジローマ治療薬によってイボを治療することもできます。
    再発性の高い病気ではありますが、半年以上新しいイボが出来ておらず検査にも反応がなければ完治したと考えてよいでしょう。

    2015.10.08

    子宮の位置がずれたまま戻らない「子宮の位置異常」について

    横浜 の皆さま、こんにち は!!

    田渕 レディース ク リニック院長 の田渕 です。
    今日 は、子宮の位置異常についてをご案内 させて頂きます

    子宮は周りの靱帯や筋肉などによって支えられている臓器ですが、膀胱や腸の状態により多少前後に傾いたりすることがあります。
    子宮がずれたままで元に戻らない場合や子宮内膜症や先天性の原因などにより、通常前屈している子宮が後方に傾いているなどの状態を子宮の位置異常と言います。

    子宮は可動性に富んだ臓器で、前方の膀胱、後方の直腸の充満状態によって位置が変動します。

    子宮の位置異常とは、子宮がこの生理的可動範囲を越えて移動し、本来あるべき位置にとどまれない状態にあるもので、子宮後屈と子宮下垂がその代表的な病気になります。

    子宮後屈は女性の2割程度にみられるといわれていますが、実際はもう少し多いようです。
    多くは先天的なもので、心配はいりません。
    妊娠した場合でも、子宮が大きくなっていくにつれて、たいていは正常な前屈になります。ただし、子宮が骨盤腔の後壁に癒着している場合は、流産などをおこすことがあります。
    子宮下垂と子宮脱は、骨盤を下から支える骨盤底の機能不全がおもな原因です。子宮を支える周囲の筋肉や結合組織が弱いと、最初は子宮が腟の入り口まで下がってきますが、そのうちに腟から飛び出してしまい、子宮脱をおこすのです。50代以降に増える子宮脱は、加齢による筋肉の萎縮や筋力の衰えによっておこると考えられています。

    症状
    子宮後屈ではほとんど症状がありませんが、癒着性の場合は、月経痛、腰痛、便秘、排尿障害のほか、性交時に奥のほうに痛みを感じることがあります。
    子宮下垂や子宮脱でも軽症なら、自覚症状のないことがほとんどですが、下垂が進むにつれて性器に違和感があり、尿の出が悪くなる、さらには歩行時に苦痛をともなうこともあります。

    治療
    軽い場合はペッサリーで治療を行いますが、症状が悪い場合では手術が必要となります。

    子宮後屈は、基本的に治療の必要はありませんが、癒着性のものは手術を行う場合が有ります。子宮下垂、子宮脱は、症状が重い場合には支持組織を補強して、子宮を吊り上げる手術を行うこともあります。ただし、多くは筋肉強化の運動をすることで、症状の改善が可能です。まず、出産後には肛門や腟周囲の筋肉を鍛える運動を行い、子宮下垂がおこらないようにすることです。

    2015.09.18

    バルトリン腺炎・腺膿瘍

    横浜 の皆さま、こんにち は!!

    田渕 レディース ク リニック院長 の田渕 です。
    今日 は、バルトリン腺炎・腺膿瘍についてをご案内 させて頂きます

    バルトリン腺は、性行時に潤滑油のはたらきをする粘液を分泌する器官で性行為を滑らかにするための液を分泌しています。その分泌液を排泄する開口部、腟の入り口の左右にあり開口しています。この開口部にブドウ球菌、 淋菌りんきん、バクテロイデス、クラミジア・トラコマチスなどの細菌が感染し炎症を起こす病気です。これがバルトリン腺炎です。

    バルトリン腺炎が起こると、開口部も詰まって、分泌液がスムーズに排泄できなくなります。その結果、腺内に粘液がたまった嚢胞がつくられる場合もあります。これをバルトリン腺嚢腫といい、放置すると徐々に大きくなって、小指の先ぐらいから鶏卵大のしこりになります。
    嚢胞内で細菌が繁殖すると内部の液は膿となり、皮膚も真っ赤に腫れ上がります。この状態はバルトリン腺膿瘍と呼ばれます。そのままにするといずれ囊は破れ、排膿が促されて一時的に治癒した状態になりますが、しばしば再発をくり返すケースが多く、早期にきちんと治療しておくことが大切です。

    症状

    小陰唇の外側や、ときには大陰唇までが赤く腫れて熱をもち、うずくような痛みや焼灼感があります。
    炎症が進むと、腫れや痛み、焼灼感が強まり、バルトリン腺内に膿がたまることがあります。さらに進むとバルトリン腺膿瘍となり、大陰唇が腫れ上がってコブになります。ウズラの卵大から、ときにはテニスボール大にまでふくれ上がり、性行時に支障をきたすのはもちろん、歩くのさえ困難になることもあります。

    検査と診断

    圧痛のある 腫瘤(はれもの)の位置で診断し、膿や内容液を培養して原因となっている菌を特定します。

    治療

    軽症の場合は、原因菌に効果のある抗生物質の服用だけで、症状はおさまります。膿がたまり痛みが激しい場合は、切開または穿刺して、膿を取り除く処置が必要です。
    急性期では、抗生物質の全身投与、局所の湿布で治りますが、膿瘍が有る場合は切開して膿を取り除きます。

    2015.06.26

    尖圭(せんけい)コンジローマは性感染症です

    横浜 の皆さま、こんにち は!!

    田渕 レディース ク リニック院長 の田渕 です。
    今日 は、尖圭(せんけい)コンジローマについてをご案内 させて頂きます

    尖圭(せんけい)コンジローマは性感染症です

    尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス(ヒト乳頭腫ウイルス、HPV)の感染により、性器周辺に生じる腫瘍です。ヒトパピローマウイルスは100種類以上が知られています。
    原因となるのは主にHPV6型とHPV11型で、時にHPV16型の感染でも発症します。

    主に性行為によって、ヒトパピローマウイルスが感染して 腫瘤(しゅりゅう:いぼ)ができる病気で、代表的な性行為感染症(STD)のひとつで、尖圭コンジローマの人と性行為を行うと、60~80%の高い率で感染するといわれています。

    尖圭コンジローマの原因になるヒヒト乳頭腫ウイルスは100種以上あり、その中の6型と11型が尖圭コンジローマと呼ばれ、ニワトリのトサカ(カリフラワー状)、もしくは乳頭のようなイボの腫瘍をつくり、放置しておくと周辺にどんどん広がりますので、性感染症に分類されています。

    女性は外陰部や肛門の辺りに、男性なら包皮や亀頭・陰のう・肛門の辺りに先のとがった小さなイボができる病気で、コンジローマという語にはラテン語で「湿ったイボ」という意味があります。

    男性では、ペニスの亀頭、冠状溝、包皮内外板、陰嚢にイボができます。
    女性では、大小陰唇、腟前庭、会陰、腟、子宮腟部にイボができます。

    主な症状

    感染後、数週間~数ヶ月の潜伏期間ののち腫瘍ができます。また肛門の周囲や尿道口にもイボができることがあり、自身で気がつく部位にできるもの以外に、膣内や口腔内にもできます。
    痛みやかゆみがないため、気になって触ったりひっかいたりするうちに、イボの中からウイルスが飛び出し、どんどん広がります。イボに痛みを伴うことはありませんが、軽度の痒みを伴う場合があります。

    原因

    ヒトパピローマウイルスによる感染症で、大部分は性行為によって感染します。
    オーラルセックスなどの性行為でも感染します。

    治療

    イボが小さい場合はポドフェリン液という薬を塗って様子をみますが、大きくなってしまったら、電気メスによる凝固、外科的切除、レーザー治療、液体窒素による冷凍凝固など、どの治療法にするかは、イボのできている場所や範囲などによって判断されます。
    しかし、治療しても一つでもイボが残っているとそこから広がり、再発することの多い病気です。完全に治るまでには多少時間がかかりますが、医師の指示に従い、粘り強く治療を続ける必要があります。またパートナーも症状が出ているなら一緒に治療しなくてはなりません。
    特に女性では悪性型の場合、子宮ガンに移行することがあります。

    アドバイス

    尖圭コンジローマは、男性の場合特有のイボが現れず自分が感染しているという自覚を持たない人も多々います。
    しかも、潜伏期間が数年と長い場合もあります。感染源の特定がとても難しいの一般的です。
    イボがある間は、コンドームをしていても、ペニス以外の部位にイボが接触して感染させてしまうことがありますので、完全に治るまでは性行為は禁止です。そして、ふだんから外陰部は清潔を保つように心がけましょう。

    2015.05.27

    ピルについてのQ&A

    横浜 の皆さま、こんにち は!!incho

    田渕 レディース ク リニック院長 の田渕 です。
    ピルのご案内5回シリーズの4回目です。

    今回 は、「 ピルについての疑問や質問など Q1~10」についてをご案内 させて頂きます。

    Q1:ピルには副作用があると聞きますが大丈夫でしょうか

    A. 個人差はありますが副作用として次のような症状が起こることがあります。
    体内のホルモンバランスが今までと違った状態になることで、マイナートラブル(吐き気・頭痛・不正出血・胸のはり・倦怠感など)が起きます。
    副作用は服用開始からだいたい2~3ヶ月以内に治まってきます。
    頭痛や吐き気がある場合は市販の頭痛薬や吐き気止めを併用しても特に問題はありません。

    Q2.市販の頭痛薬や吐き気止めを併用しても問題有りませんとA1でのご回答ですが、他に飲み合わせの悪い薬はありますか

    A. 他の効果が弱まったり、一緒に服用する薬の効果が弱まったり、強まったりすることがありますが、特に生命の危険にかかわるような飲み合わせの悪い薬はありません。
    風邪薬、頭痛薬、胃腸薬など問題ありません。

    Q3.ピルとサプリメントの併用は問題ありませんでしょうか

    A. サプリメントにはいろいろな成分が入っていますが、相互作用のあるハーブなどが多く入っていなければ問題ありません。ダイエットサプリなどで激しい下痢を起こして体重を落とすようなものは吸収不全の危険が出てきますので併用はおすすめできません。

    Q4.お酒と一緒に飲んでもいいですか

    A. 飲みすぎて吐かないようにしてください。吐いてしまうと吸収不全の原因となり効果が薄れます。

    Q5.ピルを飲むと月経がなくなるのでしょうか

    A. ピルを服用している間は、毎月ほぼ正確に月経と同じ様な出血があります。月経の起こる時期がわかるので予定が立てやすくなり、仕事の出張や旅行など計画も立てやすくなります。

    Q6.ピル服用を止めた時など、妊娠に悪影響はないでしょうか

    A. ピルは不妊症の治療薬として使用されています。
    ピル服用でかえって将来の不妊が減ることもわかっています。
    服用を中止すると1~2ヶ月以内に月経が起こり妊娠可能となり悪影響は報告されていません。

    Q7.ピルを飲むと太と良く聞きますが本当でしょうか

    A. ピル服用で体重が増加するとの研究報告は特別御座いません。
    ピル服用の臨床試験ではほとんどの女性が±2キロの変動のみで、服用していない人の体重変動は見られません。体重変動は加齢など他の要因もあります。規則正しい食生活習慣を行っていれば太ることは有りません。

    Q8.ピルがきちんと飲めたかどうか神経質になります

    A. 小さな錠剤なので不安を持つ人や避妊に真剣がゆえに神経質になってしまうことがあるようです。
    水で服用する際、口に入れた後に錠剤があることを舌先で確認してから飲み込むとなどを習慣づければよいでしょう。

    Q9.ピル服用後に嘔吐、水状の下痢をしてしまった場合は効果はどうなるでしょうか

    A. ピル服用4時間以内に激しい嘔吐や下痢があると吸収不全の恐れが出てくる為、追加服用の対処をして下さい。ただし、日常的にお腹が多少ゆるい人や激しい下痢でなければピルの成分も吸収されていると考えられますのでその必要はないでしょう。

    Q10.間違えて1日に2錠飲んでしまいました?

    A. 低用量ピルの場合は1日に2錠飲んでしまっても特に問題ありません。ホルモン量が中用量ピル1錠を飲んだと同じ程度になるだけですが1日2錠飲んでしまったことで1日分ずれてしまう為、予備のシートなどがあれば調整をし、休薬期間の7日間は必ず厳守してください。
    予備のピルを準備しておくことをお奨め致します。

    2015.05.21

    子宮膣部びらん

    横浜 の皆さま、こんにち は!!

    田渕 レディース ク リニック院長 の田渕 です。
    今日 は、子宮膣部びらんについてをご案内 させて頂きます

    子宮膣部びらん

    「びらん」とは皮膚や粘膜の上層の細胞がはがれ落ち、内層が露出している状態になることをいいますが、子宮腟部にただれが起きているわけではありません。子宮の腟に面した部分の粘膜が赤く変化して、ただれているように見えることからこう呼ばれています。
    子宮腟部びらんは病気ではなく、一種の生理的変化といえるものです。ただ、子宮腟部びらんがあると、子宮頸管炎などの感染症が起こりやすくなりますので注意が必要です。
    子宮腟部びらんが起きる原因には、卵胞ホルモン(エストロゲン)が深く関わっていると見られています。そのため、月経のある女性の60~70%には、子宮腟部びらんがあるといわれています。
    膣の奥の突き当たりの部分が、子宮口を中心に赤くただれたようになるものです。なかには膣表面の粘膜がくずれ、下の組織がむき出しになった真性びらんもありますが、これらはベーチェット病、頚管炎、梅毒、子宮頚がんなどにともなう病変で、発生はまれです。 実際に子宮膣部びらんと診断される病変の多くは、子宮頚部が厚くなり、膣内に下垂した結果、内側に隠れていた上皮がめくれて、ただれたように見えるものです。細胞そのものは傷害されていないため、真性びらんに対して、仮性びらんや偽びらんと呼ばれています。 仮性びらんは、女性ホルモンの分泌が活発になる20~40代女性の8~9割の方に見られます。 閉経後は自然に消失していくため、加齢にともなう生理的変化と考えられています。

    症状

    子宮膣部びらんの多くは病気ではなく、とくに目立った症状もないまま経過します。しかし、子宮頚部の細胞はそもそも出血しやすく、タンポンやセックスなどの刺激によって、ときおり血液の混じった赤っぽいおりものが出たり、不正出血を起こすことがあります。 また、びらんがあると細菌感染などによる炎症も起こりやすくなります。炎症を合併すると黄色い粘性のおりものが増え、炎症が慢性化すると腰痛、性交痛、頻尿などの排尿障害が生じたり、子宮膣部が肥大して不妊の原因になったりします。

    アドバイス!!

    びらんが発生する場所は、子宮頚がんが発生しやすい場所でもあります。症状の有無にかかわらず、年1回はがん検診を受けることをお勧めします。

    2015.04.09

    下腹部の痛み

    横浜 の皆さま、こんにち は!!

    田渕 レディース ク リニック院長 の田渕 です。
    今日 は、「下腹部の痛み」についてをご案内 させて頂きます。

    ピルは含まれる黄体ホルモン成分の種類で第一世代、第二世代、第三世代に分類されます。

    下腹部の痛み

    お腹が痛い下腹部の痛みは原因がいろいろあります。
    骨盤内には、腸・膀胱・尿管といった内臓器と、子宮・卵巣・卵管などの女性器があります。そのため一概に「お腹が痛い、下腹部が痛い」といっても、原因はさまざまです。

     

    婦人科系の下腹部痛

    毎月決まって、月経と月経の間に下腹部がシクシク痛むなら排卵にともなう腹痛が考えられますね。排卵痛かどうかは、基礎体温をつけながら症状が出る時期を記録することが大切です。毎月体温が低温期から高温期にかけて変化する辺りで症状が現れるのであれば、恐らく排卵痛と診断されます。

     

    その他には子宮筋腫や子宮内膜症の可能性もあります。
    月経中の下腹部痛といえば月経痛ですが、痛みの症状が進行性で月経の量も増えてくる場合です。子宮内膜症が進行すると性交時や排便時にも下腹部痛が見られます。

    突然、月経痛が強くなるような場合には性器クラミジア感染症などに感染していることもあります。また、月経が始まる前に下腹部痛が見られることがありますが、月経前の10~14日に痛みが続く、月経開始とともに消失する、月経が始まると月経痛に移行するものなど、さまざまなケースがあるようです。

    発熱をともない急激に悪化する痛みは、子宮付属器炎や骨盤腹膜炎の可能性があります。また、左右どちらかの下腹部が突然激しく痛む場合は卵巣のう腫茎捻転(らんそうのうしゅけいねんてん)、月経が遅れていて激痛があるときは流産や子宮外妊娠の疑いがあり、これらはどちらも緊急を要しますので必ず病院で適切な検査を受けて下さい。

    婦人科の病気以外の下腹部痛

     

    下痢や嘔吐をともなう急性の下腹部痛は腸炎、下痢や嘔吐がないのに下腹部が痛むときは、便秘のこともあります。やたらとトイレが近くなり、排尿時にシクンとした痛みや残尿感がある場合は、膀胱炎かも知れませんね。

    腰から下腹部にかけての強い痛みと血尿があるときは、尿路結石の可能性があります。右の下腹部が痛む場合は虫垂炎が疑われます。
    いずれも内科の検査が必要ですから、こうした症状があったら内科にかかりましょう。

    卵巣のう腫茎捻転(らんそうのうしゅけいねんてん)

    卵巣は女性の骨盤内に左右一つずつ存在し、子宮のかど(角部)からやや後方に位置し、卵管の下に垂れ下がっている状態で存在しています。
    卵巣のう腫とは、卵巣の中に液状成分がたまって腫れている状態で、よくみられる卵巣のう腫の1つに皮様嚢胞腫(ひようのうほうしゅ)があり、のう腫の中には髪の毛や脂肪組織、軟骨などの成分が蓄積しているのが一般的です。

     

    卵巣のう腫が発生し、子宮とつながっている部分がねじれることがあり、これを卵巣のう腫茎捻転と呼んでいます。

    一般的には、卵巣のう腫が5~6cm近くに成長すると茎捻転を起しやすくなるようで、茎捻転を起こした場合の主な症状としては、お腹の痛みですが、ねじれかけても元に戻ることもあり、その場合には痛みはいったん治まります。、完全にねじれてしまうと、卵巣に血液が届かなくなり、壊死を起こし、激痛の為、救急車で運ばれる場合も少なくありません。

    2015.04.02

    ピルの世代別種類

    横浜 の皆さま、こんにちは!!

    田渕 レディース ク リニック院長 の田渕 です。
    今日 は、「ピルの世代別種類」についてをご案内 させて頂きます。

    ピルは含まれる黄体ホルモン成分の種類で第一世代、第二世代、第三世代に分類されます。

    第一世代低用量ピル

    昔からあるピルで、卵胞ホルモン量を抑え黄体ホルモン(ノルエステロン系)量を多く含有しているのが第一世代ピルです。
    子宮内膜の発育を抑制する作用や、月経量が減るといわれます。気持ちを安定させる作用もあり、PMS緩和の効果が期待できるといわれています。
    アンドロゲン(男性ホルモンを活発にする)作用が少ないのが特徴で、オーソM・777、シンフェーズ28、ルナベル配合錠がこの部類に入ります。
    シンフェーズ28は3相性で、実薬の後半5日間は黄体ホルモンの量が減るという特徴があります。
    ルナベルは、成分がオーソと同じの1相性のピルで、月経困難症の治療薬としても使用されている健康保険が適用される薬です。

    第二世代低用量ピル

    卵胞ホルモン量を抑え、なおかつ黄体ホルモンの量を少なくしたピルです。第二世代ピルは低用量のエストロゲンでもしっかり効き目がある画期的な製品ですが男性化症状(アンドロゲン作用)が強いピルです。

    アンジュ21・アンジュ28、トリキュラー21・トリキュラー28、ラベルフィーユ21・28がこの部類に入ります。
    これらはいずれも3相性のピルで、よく流通している一般的なピルで、アンジュには(レボノルゲステロル)という黄体ホルモンが使われ、サイクルコントロールがよくされており、不正出血が最も少ないといわれています。
    トリキュラーは、21日間実薬を飲み、後の一週間は休薬するようになっています。
    ラベルフィーユは、トリキュラーのジェネリック薬品です。

    第三世代低用量ピル

    第三世代ピルは、デソゲストレル(DSG)、ゲストデン(GSD)という黄体ホルモンが使われており、第二世代ピルが代謝されていく過程に注目し、男性化症状(アンドロゲン作用)が生じるのを防ぐことに成功したピルです。
    マーベロン21・28、ファボワール21・28がこの分類に入ります。男性ホルモン作用が弱いので、ニキビに効果が高いといわれています。

    2014.12.11

    子宮頚管ポリープについて

    横浜 の皆さま、こんにち は!!
    田渕 レディース ク リニック院長 の田渕 です。
    今日 は、「 子宮頸管 ポリープ」につい てご案内 させて頂きます。

    どんな病気??

    ポリープとは粘膜から発育したイボを総称して言います。子宮内膜ポリープとは内膜がきのこ状に発育したもので、大きく長くなると子宮口の外まで出てくることもあります。
    子宮内膜ポリープができる原因は、「炎症や分娩、流産」からできる場合もありますが、卵胞ホルモン(エストロゲン)の影響からできる場合がほとんどと言われています。
    子宮から膣につながる細いトンネルの部分を子宮頚管といいます。この子宮頚管の粘膜組織が増殖し、キノコ状の腫瘍となって、膣内に向かって垂れ下がってくるのが子宮頚管ポリープです。
    腫瘍組織は赤くやわらかいのが特徴で、米粒大から、大きなものでは小指大以上に成長します。ポリープは一つだけできるケースが大半ですが、2個、3個と複数できる場合もあります。ポリープのほとんどは良性で、出産を経験した30~50代の女性によく発生します。子宮頚部に慢性的な炎症があると発生しやすいといわれていますが、正確な原因はわかっていません。

    症状

    組織がやわらかく、充血しやすいため、セックスやスポーツ、排便時のいきみなどでも出血します。血液の混じった茶褐色のおりものが出てくることもよくあります。
    また、ポリープが大きくなると、腫瘍組織に血液がいきわたらなくなります。その結果、組織が壊死すると、とくに刺激要因がなくても不正出血が見られるようになります。しかし、出血以外に自覚症状はなく、妊娠・出産への影響もほとんどありません。

    治療

    自覚症状がなく、ポリープの表面もきれいであれば、経過観察で様子を見ることもできます。しかし、自然治癒することはほとんどないため、出血がたびたび起こるようなら切除するのがベストです。
    切除は通常、膣から器具を挿入し、ポリープを根元からねじり取る方法で行われます。
    外来で行える簡単な処置で、痛みもほとんどともないません。切除後は少量の出血がありますが、数日で止まるので、すぐにふつうの生活に戻ることができます。また、出血と再発予防を目的に、切除後に電気焼灼(でんきしょうしゃく)、凍結療法、レーザー処理などが施される場合もあります。12854551

    子宮頸管ポリープを取り除いてもまた繰り返しできてしまうことは、よくあります。原因である炎症が改善されていなかったり、切除したときに根っこが残っていたりするのが理由です。ポリープを切除し治療した場合でも、定期健診を続けることが必要です。

    なお、ポリープの有無は膣鏡で子宮口を見れば容易に確認できますが、ごくまれに悪性の場合があります。そのため、切除したポリープは組織検査を行って、悪性病変かどうかを調べます。

    アドバイス

    子宮頚管ポリープは再発しやすい病気です。切除した場合は、その後も年1回は、婦人科での検診をおすすめします。

    2014.10.13

    男の子?女の子?

    お腹の赤ちゃんの性別は早く知りたいですよね。妊娠16週位からわかるようになります。

    ただ、赤ちゃんの姿勢によっては肝心な部分が見えないこともあります。

    このエコー写真は妊娠22週の男の子のものです。いかがですか?分かり易いですよね。

    女の子の場合は一回の検査での判断は難しいことがあります。

    045-314-3300 インターネット相談
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