子宮内膜増殖症
田渕レディースクリニック院長の田渕です。
今日は【子宮内膜増殖症】についてご案内させて頂きます。
がんに変化する可能性あり
症状としては月経不順・月経量が多い・不正出血・貧血などがみられます。
子宮の内膜は受精卵の着床を準備するため、毎月増殖して厚くなります。それが必要以上に増殖してしまう病気です。そのせいで月経時に剥離する内膜が増え、経血量が増えます。また経血の中にかたまりがまざったりもします。
原因はホルモンバランスの異常で、エストロゲン(卵胞ホルモン)の作用が強く出ることで起き、月経が不順な人は注意が必要です。
増殖した内膜の細胞の異型が強い場合を「子宮内膜異型増殖症」とよびます。
異型のない増殖症と区別します。異型細胞のない内膜増殖症では、がん化する可能性はわずかです。しかし子宮内膜異型増殖症のほうは、子宮体がんの前がん状態で、がんに変化する可能性があります。特に閉経後はその確率が高くなりますが、20代で内膜増殖症がみつかることも多くなっていて、年齢にかかわらず、月経不順や不正出血などがつづく人は、一度子宮体がんの検診を受けることが望ましいです。まずは細胞診、問題あれば組織診を行います。
異型のあるなしで治療法が変わります
異型を伴っていなければ、そのまま経過観察になります。3~6ヶ月に一度の検診をかかさず受けましょう。内膜増殖症の状態がずっとつづくような場合、内膜が定期的に剥離するよう、規則正しく月経を起こすためのホルモン療法をすることもあります。
異型だった場合、閉経しているかどうか、これから妊娠を望むかどうかといったことで、治療方針が違ってきます。
この記事が書かれた日:2015年11月13日